今回(2008年)新たに、住まい(建物)の設計契約の前に重要事項の説明を行なうことが義務付けられました。
土地の取引などでは既に広く行なわれているものですが、ようやく建築(住宅)の設計でも同様に行なわれるようになったのです。
その内容をチェックしてみましょう。
2008年11月28日から設計・工事監理契約締結前に、重要事項の説明と建築士免許(原本)の提示が義務付けられました。
これまで無かった事が不思議なくらいですが、ようやく義務付けられたという感じです。
その重要事項の説明の内容としては、
設計契約を行なう設計事務所の名称など
建物の概要
作成する設計図書
工事現場での工事と設計図面との照合方法や建て主への報告方法
設計や監理の一部を外注する場合の外注先
設計や工事監理を実際に行なう建築士の資格
設計料の額及び支払方法
契約を解除する方法
説明を行なった建築士名
などです。
それほどたいした内容ではないのですが、書面を交付して説明しなければならなくなりました。
その文書には、説明を受けた時に あなたの署名が必要となります。
2009年5月から確認申請の際には、重要事項の説明を行なったことを示す必要があります。
これを怠ると1ヶ月の営業停止の可能性もあるので、普通のしっかりした設計事務所は重要事項説明を行っているはずです。
ここで重要なことは、設計・監理者である建築士が重要事項の説明を行なう必要があることです。
住まいを建てる際に建築士の立場は工事業者よりも弱い場合も多かったのですが、この法規を見ても建築士の意見が重要だということが、初めて公に示された例といえます。
重要事項の際には設計料についても説明が必要ですが、ハウスメーカーなどが重要事項説明の際に設計料をどのように説明するか興味があるところです。
設計料はサービスと言い張って無料としていたハウスメーカでは、うやむやな説明で終わりそうです。
(もともと、この無料の設計という行為は独占禁止法に抵触する可能性が高いと、管理建築士の講習会で使用されるテキストに記載されているほどの行為が、今まで野放しだったのです。)
ただこの重要事項説明では、最終的な契約内容と同じである必要がない という問題点もあります。
実際の契約時に契約書の内容で確認できる内容については、契約書をしっかり確認すれば問題はありません。
しかし設計に関わる建築士や工事監理方法や下請けなどについては、重要事項説明の後に変更されてもまったく分からないのです。
ですから実際の設計・工事監理の内容や下請けなどについても、実際の契約前にも再度 内容を確認し、
出来れば重要事項説明に記載されている項目と同じ項目を、契約書に明記してもらうことが大切なのです。