住宅性能表示制度による住宅の性能評価には良いところと悪いところがあります。
良いところ(メリット)は、基準に従っている限り、一定の性能を確保できることです。
10項の項目に従い設計の内容チェックを行い、項目ごとに評価のランクが確定できます。
現場での工事中のチェックも最低4回行ないますから、従来の住宅金融公庫を利用するケースよりも現場でのチェックが厳しくなっています。
つまり、基準に沿った内容であれば一定の性能が確保できるという点が一番の長所なのです。
逆に悪いところ(デメリット)は、基準にない仕様を評価できないことです。
どんなに有効で性能が高い仕様でも、数値として表すことが出来ない事柄については評価が出来ないのです。
また、基準の仕様に反する内容に対しても評価が出来ません。
評価の内容自体も限られているので、内容にない部分の性能が高くても評価できないこともあります。
たとえば、100年以上昔から建っている民家などの仕様をそのまま使っても、劣化の軽減効果が高いという評価にはなりません。
屋根や外壁に50年以上持つような材料を使用しても、同様に劣化の軽減効果が高いとは評価されないのです。
このように、基準に適用される項目や内容が限定されすぎていることが最大の欠点といえるのです。
評価を効率良く行なう為には、良く利用されデータが多く測定される様な作りでないと判断できないのです。
このような限界を踏まえた上で住宅性能表示制度を利用すべきといえるでしょう。
性能表示制度の1等級は、建築基準法をしっかり満たしていればクリアできるレベルです。
等級の高さで性能が高い事にこだわるのではなく、性能表示制度を活用することで確実な工事の保証が出来るという点を重視するべきなのです。